医療脱毛機器(アレキサンドライト・ダイオード・ヤグ)の違いとは?
2017/05/12
医療用脱毛に使われる機器は大きく「アレキサンドライトレーザー」「ダイオードレーザー」「YAG(ヤグ)レーザー」の3タイプに分けられます。違いはどこにあるのでしょうか?
アレキサンドライト ジェントルレーズ |
ダイオード ライトシェアデュエット |
YAGレーザー エリート |
|
媒体 | アレキサンドライト | 半導体 | YAG |
波長 | 755nm | 800nm | 1064nm |
最大出力 | 60ジュール | 100ジュール | 300ジュール |
冷却方法 | 冷却ガス (ジェル不要) |
冷却チップ (ジェル必要) |
冷却ガス (ジェル不要) |
レーザーの決め手となるのが、媒体です。アレキサンドライトレーザーはアレキサンドライト(鉱石・人工石)、ダイオードレーザーは半導体、YAGレーザーはYAG(人工結晶)を媒体としています。媒体に光等のエネルギーを加えると、それぞれ異なった可視光線~赤外線のレーザーを発射します。
医療脱毛用レーザーに使われる可視光線~赤外線の波長は主に755nm~1064nm。アレキサンドライトレーザー(755nm)<ダイオードレーザー(800nm)<YAGレーザー(1064nm)の順に波長が長くなります。
アレキサンドライトレーザーとは?
波長の短いアレキはメラニンへの反応が強く、それだけ脱毛効果が高いといえます。また、冷たいガスで瞬時に冷却しながら施術が行われるため、人によってはダイオードよりも痛みが小さいと表現することもあります。
ただし、マシン自体は最大で60ジュールまで出力可能ですが、20ジュールを超えると肌への負担が大きすぎるため(出力を上げすぎると皮膚のシミや黒ずみにも反応し火傷のリスクが高まります)、機器の最大出力で照射されることはまずありません。クリニックでは5~20ジュールほどの出力で照射されるようです。出力をそれほどあげられないため、アレキサンドライトレーザーは産毛や細い毛に対して不向きともいわれます。
その他のデメリットとしては、照射面が円形のためダイオードに比べうち漏れの可能性が高いという点です。看護師さんの技術も必要となってきます。
ダイオードレーザーとは?
ダイオードはアレキに比べる波長が長くメラニンに対する反応は若干弱いですが、その分、出力を上げられますので産毛や細い毛の脱毛にも効果を発揮すると言われています。実際には10~40ジュール程度の出力で脱毛の施術が行われています。照射面が四角でうち漏れが少ないのもダイオードのメリットのひとつです。
ダイオードでの施術では、皮膚にジェルを塗り脱毛と同時に内臓のチップで冷やす方法で冷却が行われます(一部にはガスで冷却するマシンもあります)。レーザー自体はアレキに比べ皮膚への負担が少ないのですが、冷却方法の違いにより「ダイオードの方が痛い」という人もいます。
YAGレーザーとは?
YAGレーザーは波長が長く深層部の毛根にまで照射できる点がメリットと言えます。メラニンへの吸収率が低いため、日焼けした肌(メラニン色素が多い肌)、黒ずみのある肌でも安全性が高いと言われています。
一方で、メラニンへの吸収率が低いということは脱毛効果も低くなり、毛乳頭を破壊するまでに至らない(永久脱毛できない)こともあります。そのため、YAGレーザーは、肌トラブルのある人などに対して、アレキやダイオードの補助機として利用されることが多いようです。
まとめ
「アレキサンドライトレーザー」「ダイオードレーザー」「YAG(ヤグ)レーザー」はそれぞれ異なる波長で脱毛を行うマシンです。アレキサンドライトは3つの脱毛機のうちで一番波長が短く、メラニンへの吸収率も最大です。脱毛効果が高く、多くのクリニックで脱毛施術に使われています。弱点は柔らかい毛の脱毛で、産毛や細い毛にはあまり反応しないと言われています。一方、ダイオードは産毛や細い毛にも効果が出やすいので、腕や女性の顔などの脱毛が得意といえます。YAGは、毛乳頭が人よりも深い位置にある人や黒ずみ日焼け等でメラニン色素の多い人に、補助的に使われます。